顫へては何処へか咽び入り
跡かたもないメロデイよ、
淡蒼い影を揺かす
おまへの指は絶間なく咽び入り、
しなやかな幻にとり縋る。
真白い指の王国は
恣まな圧制を
虐げの歌を掻き鳴らす、
薄明りの上に輝いて
裂けて死ぬ光りのなげき。
けぶりのやうな明るみへ、
秘密を探る指の白よ、白よ、
四阿のにほひと色彩に埋められて、
私の心は幾度も幾度も生き死ぬ。
ピアノ
三富 朽葉
顫へては何処へか咽び入り
跡かたもないメロデイよ、
淡蒼い影を揺かす
おまへの指は絶間なく咽び入り、
しなやかな幻にとり縋る。
真白い指の王国は
恣まな圧制を
虐げの歌を掻き鳴らす、
薄明りの上に輝いて
裂けて死ぬ光りのなげき。
けぶりのやうな明るみへ、
秘密を探る指の白よ、白よ、
四阿のにほひと色彩に埋められて、
私の心は幾度も幾度も生き死ぬ。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c三富 朽葉「ピアノ」(新字旧仮名)、底本『日本の詩歌 26 近代詩集』中央公論社、1970年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 060993_000799, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079