古家を洩れて
蒼い夕をおとづれる
沈黙の煙の翅。
匍ひ廻る霧の奥に
森や山が闇を語つてゐる。
ほそぼそと銀を乱す
蜘蛛の網の
湿り気を吐く糸目にまつはつて
苦しい死を訴へる羽虫のなきがら。
こごえた冬のうろつくところ
欝陶しい魂の旅が始まる……
ふゆのうた
三富 朽葉
古家を洩れて
蒼い夕をおとづれる
沈黙の煙の翅。
匍ひ廻る霧の奥に
森や山が闇を語つてゐる。
ほそぼそと銀を乱す
蜘蛛の網の
湿り気を吐く糸目にまつはつて
苦しい死を訴へる羽虫のなきがら。
こごえた冬のうろつくところ
欝陶しい魂の旅が始まる……
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c三富 朽葉「冬の歌」(新字旧仮名)、底本『日本の詩歌 26 近代詩集』中央公論社、1970年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 060991_000799, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079