影と銀の乱れる夜へ
月は死葉を刈り立てる。
(魂は忍び音を聞く。)
虚空の淵に揺られる
星の瞳は鈴を響かす。
(魂は灰を見つめる。)――
渦巻く雲より覗く
烈しい闇の裸形。
(魂は火を失ふ。)――
いつも地平を逍ふ獣の群よ、
いつも雪の降る薄明りよ、
いつもわが閉ぢた窓に映る幻よ、
いつも暖をとる寒い魂よ、
いつも我を裏ぎる我の
心の罠よ 肉の恐怖よ。
いつもいつもつまづくわが神経のいらだたしさ……
しんや
三富 朽葉
影と銀の乱れる夜へ
月は死葉を刈り立てる。
(魂は忍び音を聞く。)
虚空の淵に揺られる
星の瞳は鈴を響かす。
(魂は灰を見つめる。)――
渦巻く雲より覗く
烈しい闇の裸形。
(魂は火を失ふ。)――
いつも地平を逍ふ獣の群よ、
いつも雪の降る薄明りよ、
いつもわが閉ぢた窓に映る幻よ、
いつも暖をとる寒い魂よ、
いつも我を裏ぎる我の
心の罠よ 肉の恐怖よ。
いつもいつもつまづくわが神経のいらだたしさ……
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c三富 朽葉「深夜」(新字旧仮名)、底本『日本の詩歌 26 近代詩集』中央公論社、1970年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 060990_000799, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079