暗き 浜辺 を たどり来たり、
水際 真近く 砂 を 握る。
握る 真砂 の もろき うちに、
闇の力 は その尾 振ひ、
手 をば つたひて 胸に 響く。
君よ、御空 の 星 を 説きて、
地なる ひゞき を 忘る勿れ、
遠き 深み の 浪 は 寄せて、
幾重 打ちては 畳む 砂 ぞ。
たとへ もろく ぞ 砕け去りて、
手 には 残れる 形 なくも、
永劫 の 憂ひ を 布くは 如何に。
暗き 浜辺 に 砂 を 握り、
君に 云ふべき事 ぞ 多き。
ちなるひびき
岩野 泡鳴
暗き 浜辺 を たどり来たり、
水際 真近く 砂 を 握る。
握る 真砂 の もろき うちに、
闇の力 は その尾 振ひ、
手 をば つたひて 胸に 響く。
君よ、御空 の 星 を 説きて、
地なる ひゞき を 忘る勿れ、
遠き 深み の 浪 は 寄せて、
幾重 打ちては 畳む 砂 ぞ。
たとへ もろく ぞ 砕け去りて、
手 には 残れる 形 なくも、
永劫 の 憂ひ を 布くは 如何に。
暗き 浜辺 に 砂 を 握り、
君に 云ふべき事 ぞ 多き。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c岩野 泡鳴「地なる響」(新字旧仮名)、底本『日本の詩歌 26 近代詩集』中央公論社、1970年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 060899_000137, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079