沢山な窓のある家、 一つ一つの窓から顔が出てゐる。 顔には地図が描いてある。 みんなの地図が読める、 鳥籠も描いてある、花もあり、コップも、望遠鏡も、並ぶ顔、水筒、 霧、黎明とパイプも確実につながつてお互の陰翳を持つてゐる。 痙攣する避雷針の窓からまた一つの顔を見ないか、 揺れる、揺れる、椅子が、星が、 黒い夜の絵具は沈黙して語らない――その後の顔等に就いては。 今はただ明るく揺れる顔がある。