土も凍る夜
友と二人
炭のない部屋にねむろうとしている
われらの「戦旗」がいま
二三の女の手にカギが渡され
必死のこぶしを
彼らの靴先が踏みくだこうとしている
友の夫 わたしの兄たち
いく百の前衛は牢や
いく千の兵士は満洲の戦場に狩り出され
友と二人
破れた雨戸の部屋にねむろうとしている
ガラスの窓に月が冴えて光る
月は中天に輝々として
つきはちゅうてんに
中野 鈴子
土も凍る夜
友と二人
炭のない部屋にねむろうとしている
われらの「戦旗」がいま
二三の女の手にカギが渡され
必死のこぶしを
彼らの靴先が踏みくだこうとしている
友の夫 わたしの兄たち
いく百の前衛は牢や
いく千の兵士は満洲の戦場に狩り出され
友と二人
破れた雨戸の部屋にねむろうとしている
ガラスの窓に月が冴えて光る
月は中天に輝々として
記録は下にリンクした署名済みの TEI ファイルです。このページはそれを読むための一つの形です。読みが複数ある箇所は一つだけを本文に示し、もう一方は語の title に残しています。 / The record is the signed TEI file linked below. This page is one way of reading it. Where the text has more than one reading, the page shows one of them and keeps the other on the word itself, in its title text.
913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c中野 鈴子「月は中天に」(新字新仮名)、底本『中野鈴子全詩集』フェニックス出版、1980年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 058800_001637, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079