二羽 三羽 霧のかかつた水際に 黒い小鴨が游いでゐる
私は林の小徑を出る ――それとなし彼らはくるりと向きをかへる
やがて一羽は空に揚る 一羽は水の面を飛ぶ 一羽はあとに殘される
彼は周章てて水を打つ 水を打つ やつとからだが宙に浮く 仲間と違つた方角へ
かも 1
三好 達治
二羽 三羽 霧のかかつた水際に 黒い小鴨が游いでゐる
私は林の小徑を出る ――それとなし彼らはくるりと向きをかへる
やがて一羽は空に揚る 一羽は水の面を飛ぶ 一羽はあとに殘される
彼は周章てて水を打つ 水を打つ やつとからだが宙に浮く 仲間と違つた方角へ
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c三好 達治「鴨 一」(旧字旧仮名)、底本『三好達治全集第一卷』筑摩書房、1964年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 058742_001749, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079