拔足差足 忍び寄つた野兎は 蓆圍ひの隙間から 野菜畑に跳びこんだ
とたんに係蹄に引かかる 南無三 とんぼがへりを二つ三つ
力まかせに空を蹴る 月を蹴る 月は 山の端に入いる
やがて兎は 寢てしまふ 白菜たちが眼を醒す
うさぎ
三好 達治
拔足差足 忍び寄つた野兎は 蓆圍ひの隙間から 野菜畑に跳びこんだ
とたんに係蹄に引かかる 南無三 とんぼがへりを二つ三つ
力まかせに空を蹴る 月を蹴る 月は 山の端に入いる
やがて兎は 寢てしまふ 白菜たちが眼を醒す
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c三好 達治「兎」(旧字旧仮名)、底本『三好達治全集第一卷』筑摩書房、1964年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 058735_001749, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079