□毎月校正を済ますとほつとしますけれども直ぐ後からいら〱して来ます。何故こう引きしまつたものが出来ないのだらうと情なくなつてしまひます。自分の無能が悲しくなります。でも<ruby><rb>兎</rb><rt>と</rt></ruby>に<ruby><rb>角</rb><rt>かく</rt></ruby>出来る<ruby><rb>丈</rb><rt>だ</rt></ruby>けよくしたいと努力はしてゐます。二ヶ月三ヶ月と進んでゆくにしたがつてだん〱苦しくなつて来ます。然し私は何時迄も〱その苦しみに堪へてゆかうと思ひます。

□前号この欄に私が生田花世さんが雑誌を出されるといふことに就いて<ruby><rb>一寸</rb><rt>ちょっと</rt></ruby>したムラ気からヒヤカシを書きましたら時事新報紙上でゼラシイからのけんかだと嘲笑されました。ウツカリ口のきけない世の中だとおもひました。

□今月はボンヤリしてゐたものですからすつかり何にも出来ないで日が経つて仕舞ひました。生田<ruby><rb>長江</rb><rt>ちょうこう</rt></ruby>氏の「超人の哲学」、阿部次郎氏の「三太郎の日記」は来月号できつと紹介いたします。あしからず。

□障子社の展覧会が三日から七日迄向ふ五日間京橋区柳町東中通り（<ruby><rb>南伝馬町</rb><rt>みなみでんまちょう</rt></ruby>下車）画博堂で開かれます。真田久吉氏、埴原桑喜代氏、清水太助氏、奥村博氏の画が出品されます。

□<ruby><rb>白山</rb><rt>はくさん</rt></ruby>の有朋堂で、模範原稿用紙を売り出しました。気のきいた中型の使ひいゝ原稿用紙です。

［『青鞜』第五巻第三号、一九一五年三月号］