Soranoha

餓えた人々

うえたひとびと

マン パウル・トーマス

デトレフは自分が余計者だという感じに、胸の底までおそわれるのを覚えた瞬間、まるで偶然のように、賑やかな人ごみに身をただよわせて、別れの挨拶もせず、あの二人の人の子の視線から消えてしまった。

彼が身をゆだねた人波は、豊麗な劇場内の一つの側壁に添うて、彼を運んで行った。そしてリリイとあの小さな画家から、ずっと遠のいたと思った時、はじめて彼は流れに逆らって、しっかりと踏みとどまった。そこは舞台の近くで、彼は特等席の、こってりと金で飾られた張出しのところへ身をもたせながら、ひげだらけなバロック式の男体支柱が、重そうに背を丸めているのと、それの対ついに当る女体が、張り切った両の乳房を、場内へ突き出しているのとの間に立ったのである。時々、オペラグラスを眼へあてがいながら、彼は精々できるだけ、気楽そうな観照の態度を示すことに努めた。ただし彼の四方へさまよう視線は、輝かしい一円のうち、ただ一点だけは避けていた。

祝宴はたけなわであった。張り出した特等席の奥では、整えられたテエブルについて、みんな食べたり飲んだりしているし、張出しのへりのところでは、黒や色の燕尾服を着て、ボタンの穴に大きな菊の花をさした紳士たちが、奇抜な衣裳に、調子外れな髪を結った淑女たちの、白粉を塗った肩のほうへ身をかがめて、なにかしゃべりながら、場内のめまぐるしい群衆を指さしている。群衆はいくつものかたまりにわかれたり、流れるように押して行ったり、せきとめられたり、渦をなしてもつれ合ったり、と思うと、すばやく色を入り乱れさせながら、またすっと解けてしまったりする。

女たちは流れるような衣裳で、小舟に似た形の帽子を、けばけばしいリボンであごの下にとめて、長い杖にもたれながら、長柄の眼鏡を眼にあてている。男たちのたるませた袖は、ほとんど灰色のシルクハットにとどくくらいふくれあがっている。――大声の軽口が桟敷のほうへ飛び上ってゆくと、そこではビイルやシャンパンの盃が、挨拶として挙げられる。みんなあおむきながら、幕のあいている舞台の前でひしめいている。舞台では華やかにそうぞうしく、なにかある奇警なことが演ぜられていた。やがて垂れ幕がさらさらとしまると、みんなは哄笑と喝采のうちに散り散りになって、あとへ戻った。楽隊がとどろく。みんなは緩やかな足どりで、入り乱れながら押し合った。そうしてこの壮麗な広間にあふれた、昼よりもずっと明るい黄金色の光が、みんなの眼をきらきらと輝かせている間に、みんなは急調子な、あてもなく人を求めるような息づかいで、花や葡萄酒や料理、埃、白粉、香料、それからうたげにのぼせた肉体などの、暖かい昂奮させるようないきれを、吸い込んでいる。――

楽隊がはたとやんだ。みんなは互いに腕を組んだなり立ちどまって、笑いながら舞台のほうを見た。舞台では蛙の鳴くような、溜息のような音とともに、なにかまた別のことがはじまっている。百姓に扮した四五人の人物が、クラリネットと甘たるい絃楽器とで、トリスタンの音楽の半音階的曲折を戯演しているのだった。――デトレフは燃える瞼を、一刹那閉じた。彼の心持は、これらの旋律がこれほど勝手にゆがめられているのに、なおその中から、あの悩ましい合一のあこがれを、聴き出さずにはいられないくらいになっていたのである。すると、にわかに寂しき者の息づまるような憂愁が、またしてもわき上ってきた――人生のある明るい凡庸な子に対する、嫉みと愛とに溺れた寂しき者の……

リリイ……彼の魂は、この名を嘆願と愛撫とで組み立てていた。そしてもう彼は、自分の視線があの遠い一点にすべってゆくのを、この上どうしても禁ずることができなかった。――そう。彼女はまだあそこにいる。まだあのうしろのほうの、さっき彼が別れてきたのと同じところにいる。時々人波が裂けると、彼女の姿は残らず見える。銀で飾られた乳白の着物で、金髪の頭を少し斜めに傾けて、両手を背中へ廻したなり、壁に身をもたせてなにか話しながら、あの小さい画家の眼を見つめている。彼女自身のと同じように碧い、さえざえとした、濁りのない眼を、からかい気味にじっと見つめているのである。――

何を二人は語っているのか。何をあんなにいつまでも語っているのか。ああ、この談笑。軽くなだらかに、無邪気と無慾と無垢と元気との、尽きぬ泉から湧き流れるこの談笑。しかも彼は、夢想と認識との生活のために、心を萎えさせる洞見のために、また創作の苦患のために、むっつりと緩慢にせられてしまった彼は、その談笑にたずさわる術を知らぬのである。さっき彼は去った。反抗と絶望と寛容との発作におそわれて、そっと忍び去った。そしてあの二人の人の子を、そのまま残してきてしまった。しかも今になって、彼は遠くから、のどを締めつけるような嫉妬とともに、あの安堵の微笑に気がついた。彼の重苦しい現前からのがれたのを、互いに同じ気持で認め合いながら、彼等の浮かべているあの微笑である。

なぜ彼は来たのだろう。ほんとになぜ今日またやって来たのだろう。実際は彼を受け容れることなしに、ただ彼をがやがや取り囲んで昂奮させる、こののんきな人々の群の中へ、苦しむのはわかっているのに、何が彼を駆って加わらせたのであろう。彼はそれをよく知っているのだ――この欲求を。「われら寂しき者は、」と彼はどこかでいつか、告白に誘う物静かな気持の時に、書いたことがある。「われら隠遁の夢想家、人生の廃嫡児は、故意に心寒くも群を離れ、群のそとに物思いの日々を過すわれらは……認識と無気力とのあざを額に印したまま、溌剌たる人々の間に姿を現わすや否や、打ち克ちがたいいぶかりの冷たいけはいを、あたりにはびこらせるわれらは……みんなからはおずおずした尊敬をもって迎えられるが、われらのうつろな、しかも物を知りすぎたまなざしが、それ以上彼等の喜びを乱さぬようにと、彼等からできるだけすぐに、また独りでおかれてしまうところの、存在のあわれな幽霊なるわれらは……こういうわれらすべては、無邪気なもの単純なもの快活なもの、またいささかの友情と献身と親睦と、そして人間的な幸福とに対する、ひそかなやるせない憧憬を胸に抱いているのである。われらをしめ出している『人生』は――決して血なまぐさい偉大さや、荒々しい美しさのまぼろしとして、つまり異常なものとして、われら異常な者の眼に映じているのではない。われらが憧憬の国は、尋常な礼儀正しい愛想のいいところにある。誘惑的な凡庸性をもった人生にあるのだ……」

彼は例の談笑している二人のほうへ眼をやった。その時場内では、温厚な笑声がクラリネットの調べをさえぎっていた。クラリネットはあの重苦しい甘い恋の唄を、流行の感傷的なものにゆがめているのである――君たちがそれなのだ、と彼は感じた。君たちが、永久の対照として、精神と対立している、その暖かいやさしいおぞましい人生なのだ。精神が君たちを軽蔑しているなんぞと思うな。精神があなどりの顔つきを示したって、そんなものを決して信ずるな。われわれは君たちのあとをそっとつけてゆくのだ――われわれ地の底に住む小妖精、認識で唖になった怪物は。われわれは遠くに立っていて、しかもこの眼の中には、君たちと同じようになりたいという、むさぼり求めるような憧憬が燃えているのだ。

自尊心が動きはしないか。われわれが寂しいということを、自尊心は打ち消したいのか。精神のなす愛の事業は、あらゆる場所、あらゆる時代に生きている人々との高尚な結合を保証すると、自尊心は豪語するのか。ああ、誰とだ。誰との結合なのだ。いつもやっぱりわれわれの仲間、悩める者、あこがれる者、貧しき者と結ばれるばかりで、精神を必要とせぬ、碧い眼の君たちと結ばれることは決してないではないか。――

今度はみんな踊っている。舞台の上の演技は終ったのである。楽隊はとどろき歌っている。なめらかな床の上を、幾組もの男女がすべり、めぐり、ゆれている。そしてリリイは、あの小さな画家と踊っている。かわいらしい首が、銀の刺繍ぬいのある固い襟のうてなから生えている、あのきれいさはどうだ。落ち着いてしなやかに足を運びながら、向きを換えながら、二人はわずかな場所だけで動いている。男の顔は女の顔に向いている。そして微笑しながら、リズムの快い平凡さに、心はくずさず身を任せたまま、二人は雑談をつづけているのである。

つかんで形造る手のような動きが、突然この寂しき者の心中に起った。でもやっぱり君たちはおれのものだ、そしておれは君たちの上に立っているのだ、と彼は感じたのである。おれは微笑しながら、君たちの単純な魂を見とおしているではないか。嘲弄的な愛でもって、おれは君たちのからだの素朴な衝動を、いちいち認めかつ見張っているではないか。君たちの無自覚ないとなみに直面していると、おれのうちには言語と諷刺との力が張り切ってきて、造作もなく君たちを模写した上、おれの芸術の光に照らして、君たちのおぞましい幸福を、世の感動にまかせたいという欲望と愉快な権力感とで、おれの心臓は高鳴るではないか。――

が、しばらくすると、今まで彼のうちに、かくまで敢然と立ちあがっていたものは、すべて力なくやるせなく、ふたたび打ち倒れてしまった。ああ、いつか一度、今日のような晩ひと晩だけでも、芸術家でなく人間でいられたら。いつか一度、あの呪いからのがれられたら。――お前はただあることは許されない、観なければならぬ、生きることは許されない、創造せねばならぬ。愛することは許されない、知らねばならぬ――というあの犯しがたい呪いから。いつか一度、誠実な醇朴な感情で生き愛し讃めることができたら。いつか一度、君たち溌剌たる人々よ、君たちの仲間になることが、君たちの心の中に入ることが、君たち自身となることができたら。いつか一度われを忘れて、君たちを味わいすすることができたら――君たち凡庸の法悦よ。

はっと思って、彼は身をそむけた。ここにあるすべてのきれいなのぼせた顔には、もし彼に気がつけば、すぐに探るような衝かれたような表情が、浮かんできそうな気がしたのである。退却して、静寂と暗とを求めたいという願望が、突然彼の心に強く――彼がそれに逆らわなかったほど強く起ってきた。そうだ。行ってしまうことだ。別れも告げずに全く引きさがってしまうことだ――ちょうど、さっきリリイのそばから引きさがった通りに。そして家に帰って、熱い悩ましく陶酔した頭を、つめたい枕につけることだ。――彼は出口のほうへ足を向けた。

彼女は気がつくであろうか。彼はこういう引っ込みには馴れきっていた。ある広間、ある庭園、ある陽気な団欒の座から、自分のあこがれを寄せている輝かしい人を、ほんの一瞬間でも暗い気持にさせ、これはと考え込ませ、同情させたいというひそかな望みとともに、黙って昂然として、すてばちに逃げ出すこと――それには馴れきっていたのである。――彼は立ちどまった。もう一度むこうを眺めた。ある嘆願が胸に湧き上った。このままここにいようか。こらえ通そうか。たとえ遠くとも、彼女のいるところに低徊していようか。そしてなにかある僥倖が来るのを待とうか。――だめだ。なんらの接近も、なんらの諒解も、なんらの希望もないのだ。行け。闇の中に行け。頭を両手に埋めて泣け。もし泣けるなら、もしこの凝固と荒涼と氷と精神とそして芸術との世界に、涙というものがあるなら。――彼は広間を去った。

燃えるような、じっと刺し通すような苦痛と、同時にばかげた不合理な期待とが、彼の胸にあった――彼女は気がついて、解ってくれて、出て来て、ただ同情からだけでも、ともかく自分のあとを追って来そうなものだ。自分を中途で引きとめて、自分にこういってくれそうなものだ――どこにも行かないでよ。陽気におなりなさいよ。わたしあなたがすきなんだから。そこで彼は、ごくゆっくりと歩いて行った。彼女が、あの小さな、踊ったりしゃべったりしているリリイが、決してやって来ないことは、彼自身でも知っているくせに、笑いたくなるほどはっきりと知っているくせに。――

もうあけがたの二時だった。廊下は森閑として、携帯品預り所の長いテエブルの奥では、看守の女たちが居眠りをしていた。彼のほかには、家へ帰ろうなんぞと考える者は、一人もないのである。――彼は外套に身を包んで、帽子とステッキを手に取ると、劇場を出た。

広場には、冬の夜の白く透いた狭霧さぎりの中に、辻馬車がずらりと並んでいた。馬が首を垂れて、背中に覆いをかけたまま、馬車の前にじっとしていると、顔までくるまった馭者たちは、いくつにもかたまって、固い雪の上で足踏みをしている。デトレフはその中の一人を手まねきした。そしてその男が馬の用意をしている間、明るい玄関口のところにたたずんだなり、どきどきするこめかみを、寒い鋭い風に吹かせていた。

シャンパンのまずい後味あとあじが、煙草を吸いたい気持を誘った。彼は機械的に巻煙草を一本取り出すと、マッチをすって火をつけた。と、そのとたんに、小さな焔が消えたとたんに、あるものが彼の前に現われた。それがなんだか、ちょっとの間、彼にはわからなかった。途方に暮れて驚愕して、両腕をだらりと垂れたまま、彼はその前に突っ立っていた。それは彼の克服し得ぬもの、忘れ得ぬものであった。――

彼の視力が、小さな火花の眩惑から恢復するにつれて、闇の中から、一つのすさみきった、憔悴した、赤髯の顔が浮かびあがった。そしてただれた、みじめなふちのできた眼が、粗野な嘲弄の色と、むさぼるようなさぐりの色とを浮かべながら、彼の眼をじっと見守ったのである。――この悩ましい顔の持主は、彼からわずか二三歩離れたところに、両の拳を、ズボンの下寄りについたポケットの中に突込んで、ぼろぼろのジャケツの襟を立てたまま、劇場の入口を囲む街燈の柱の一つにもたれていた。彼の視線は、デトレフのからだ中を滑って行った。オペラグラスのかけてある毛皮の外套を伝わって、塗り靴のところまでおりて行ったかと思うと、今度はまたさっきの求めむさぼるような探りかたで、突き刺すようにデトレフの眼を見つめるのであった。たった一度、その人間は短かく軽蔑したように、ふんと鼻から息を出した――と、今度は、そのからだが寒さでぶるぶるとふるえた。たるんだ頬は、なおげっそりとこけるように見えた。それとともに、瞼がおののきながら閉ざされて、口の両端が、憎々しげに同時に、また恨めしげに垂れさがった。

デトレフは凝然と立ちすくんだ。彼は理解しようとして、あせりにあせった。――自分が祝宴の客の一人として玄関口を出て、馭者に合図をして、銀の煙草入れから巻煙草を取り出した時に、示したろうと思われる、愉楽と裕福との外観が、ふと彼の意識にのぼった。われ知らず手をあげて、彼はまさに自分の頭を打とうとした。一歩その男のほうへ近寄ると、彼は口を利こうとし、わけを話そうとして、深い息を吐いた。……が、やがてやはり黙然として、用意のできた馬車へ乗り込んでしまった。馭者に行先をいうのも、危く忘れるところだった。この場合、事をはっきりさせるのは不可能だと思うと、彼は狼狽して度を失ってしまったのである。

ほんとになんという見当ちがいであろう。――なんというおそろしい誤解であろう。あの餓えた閉め出された男が、食慾と憤懣とをもってこの自分を眺めた。羨望と憧憬にほかならぬ、無理強いの軽蔑をもって眺めたのである。あの男は少し自己を見せびらかしはしなかったか、あの餓えた男は。あの寒さにふるえていた様子や、恨めしそうな意地悪そうな渋面からは、印象を与えたい、思いあがった幸福者のこの自分を、たとえ一瞬間でも暗い気持にさせ、これはと考え込ませ、同情させたいという願いが語られてはいなかったか。おい、君は見当ちがいをしているのだよ。君はねらいそこなったのだ。君のみじめな姿は、僕にとっては、決して見知らぬおそろしい世界の、おびやかすような、恥じ入らせるような警告でもなんでもないのだ。僕たちは兄弟なのじゃないか。――

ここのところに、ねえ君、この胸の上のところにとまって、燃えているものがあるのだね。どんなによく僕はそれに馴れていることだろう。それにいったいなぜ君はやってきたのかね。なぜ強情に威張って、闇の中にがんばっていないで、中では音楽と人生の笑い声とのひびく、明るい窓下なんぞに座を占めたのかね。君の悲惨をはぐくむために、君をそんなところへかり立てた、愛とも憎しみとも名づけられるあの病的な欲望――それは僕だって知っていないだろうか。

君を活気づけているすべての苦艱のうち、僕の知らないものは一つもない。それだのに、君は僕に恥じ入らせようと思ったのだね。精神とはなにか。たわむれる憎悪だ。芸術とはなにか。建設する憧憬だ。僕たち二人とも、欺かれた者、餓えた者、訴える者、否定する者の国を故郷としている。それにまた自蔑にみちた、自分を裏切るような気持の時をも、僕等二人は共有している。なぜなら、僕たちは人生に対する、おぞましい幸福に対する、屈辱的な愛で、われを失っているからだ。ところが、君にはぼくがわからなかったのだね。

迷誤。迷誤。――そしてこの遺憾の思いが、全く彼の心をみたした時、その奥底のほうのどこかで、せつないと同時に快い一つの予感がきらめいた。――誤っているのはあの男一人だろうか。迷誤の終りはどこにあるのだ。地上のすべてが、あこがれが、迷誤なのではあるまいか。単純に衝動的に溌剌たる人々、つまり、精神と芸術とによる浄化も、言語による解脱も知らぬ唖の人生――に寄せている僕の憧憬は、まず第一に迷誤なのではなかろうか。ああ、僕等安息もなく悩んでいる意志によって造られた者たちは、残らず同胞なのだ。そのくせ、僕等はお互いにお互いがわからない。なにかもっと別の愛が必要だ。なにかもっと別のが。――

それから家へ帰って、書籍や絵画や、静かなまなざしの胸像などの間に腰をおろしている間、彼の心は、こういう優しい言葉に動かされていた。――「子供等よ、互いに愛せよ……」

底本 / Source edition

底本:「トオマス・マン短篇集」岩波文庫、岩波書店
1979(昭和54)年3月16日第1刷発行
2003(平成15)年5月24日第33刷発行
※表題は底本では、「餓えた人々(習作)[#「(習作)」は1段階小さな文字]」となっています。
入力:kompass
校正:酒井裕二
2015年3月8日作成
青空文庫作成ファイル:
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TEI
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書誌 / Bibliography
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マン パウル・トーマス「餓えた人々」(新字新仮名)、底本『トオマス・マン短篇集』岩波文庫、岩波書店、1979年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 055964_001758, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079

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