古る摺れた
外国の絵端書――
唾液が余りに中性だ
雨あがりの街道を
歩いたが歩いたが
飴屋がめつからない
唯のセンチメントと思ひますか?
――額をみ給へ――
一度は神も客観してやりました
――不合理にも存在価値はありませうよ
だが不合理は僕につらい――
こんなに先端に速度のある
自棄 々々 々々
下駄の歯は
僕の重力を何といつて土に訴へます
「空は興味だが役に立たないことが淋しい
――精神の除外例にも物理現象に変化ない」
ガラスを舐めて
蠅を気にかけぬ
(ふるずれた)
中原 中也
古る摺れた
外国の絵端書――
唾液が余りに中性だ
雨あがりの街道を
歩いたが歩いたが
飴屋がめつからない
唯のセンチメントと思ひますか?
――額をみ給へ――
一度は神も客観してやりました
――不合理にも存在価値はありませうよ
だが不合理は僕につらい――
こんなに先端に速度のある
自棄 々々 々々
下駄の歯は
僕の重力を何といつて土に訴へます
「空は興味だが役に立たないことが淋しい
――精神の除外例にも物理現象に変化ない」
ガラスを舐めて
蠅を気にかけぬ
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c中原 中也「(古る摺れた)」(新字旧仮名)、底本『新編中原中也全集 第二巻 詩Ⅱ』角川書店、2001年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 055923_000026, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079