俺は、俺の脚だけはなして
脚だけ歩くのをみてゐよう――
灰色の、セメント菓子を噛みながら
風呂屋の多いみちをさまよへ――
流しの上で、茶碗と皿は喜ぶに
俺はかうまで三和土の土だ――
けんたいににぎられたおとこ
中原 中也
俺は、俺の脚だけはなして
脚だけ歩くのをみてゐよう――
灰色の、セメント菓子を噛みながら
風呂屋の多いみちをさまよへ――
流しの上で、茶碗と皿は喜ぶに
俺はかうまで三和土の土だ――
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c中原 中也「倦怠に握られた男」(新字旧仮名)、底本『新編中原中也全集 第二巻 詩Ⅱ』角川書店、2001年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 055895_000026, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079