幼き恋は
寸燐の軸木
燃えてしまへば
あるまいものを
寐覚めの囁きは
燃えた燐だつた
また燃える時が
ありませうか
アルコールのやうな夕暮に
二人は再びあひました――
圧搾酸素でもてゝゐる
恋とはどんなものですか
その実今は平凡ですが
たつたこなひだ燃えた日の
印象が二人を一緒に引きずつてます
何の方へです――
ソーセーヂが
紫色に腐れました――
多分「話の種」の方へでせう
おさなきこいのかいこ
中原 中也
幼き恋は
寸燐の軸木
燃えてしまへば
あるまいものを
寐覚めの囁きは
燃えた燐だつた
また燃える時が
ありませうか
アルコールのやうな夕暮に
二人は再びあひました――
圧搾酸素でもてゝゐる
恋とはどんなものですか
その実今は平凡ですが
たつたこなひだ燃えた日の
印象が二人を一緒に引きずつてます
何の方へです――
ソーセーヂが
紫色に腐れました――
多分「話の種」の方へでせう
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c中原 中也「幼き恋の回顧」(新字旧仮名)、底本『新編中原中也全集 第二巻 詩Ⅱ』角川書店、2001年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 055893_000026, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079