ふとして眺むれば
彼処に笑めるは一人の不可解なる精霊の所有者である
われは今その面を見つつ想う
唇……
おおそは紅の渕に囲われし底知れぬ沼である
鼻……
おおそはまろみあるエジプトのピラミットである
眼……
おおそはうるおい耀く黒曜石の玉を秘めし二つの湖水である
眉……
おおそは湖水をめぐりて小丘の上に繁れる林である
おおなめらかに広き無毛の原を過ぎ行けば
彼方は千古の密林である。
じんめんぎょうし
今野 大力
ふとして眺むれば
彼処に笑めるは一人の不可解なる精霊の所有者である
われは今その面を見つつ想う
唇……
おおそは紅の渕に囲われし底知れぬ沼である
鼻……
おおそはまろみあるエジプトのピラミットである
眼……
おおそはうるおい耀く黒曜石の玉を秘めし二つの湖水である
眉……
おおそは湖水をめぐりて小丘の上に繁れる林である
おおなめらかに広き無毛の原を過ぎ行けば
彼方は千古の密林である。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c今野 大力「人面凝視」(新字新仮名)、底本『今野大力作品集』新日本出版社、1995年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 055602_001471, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079