ふとして眺むれば

<ruby><rb>彼処</rb><rt>かしこ</rt></ruby>に笑めるは一人の不可解なる精霊の所有者である

われは今その面を見つつ想う

唇……

おおそは紅の渕に囲われし底知れぬ沼である

鼻……

おおそはまろみあるエジプトのピラミットである

眼……

おおそはうるおい耀く黒曜石の玉を秘めし二つの湖水である

眉……

おおそは湖水をめぐりて小丘の上に繁れる林である

おおなめらかに広き無毛の原を過ぎ行けば

彼方は千古の密林である。