歴史！

「歴史がこうであったから

これはこうであるべきだ」

てめい等はまるでブルジョア学者と同じように

そこからどんな論理や哲学を<ruby><rb>引</rb><rt>ひき</rt></ruby>ずり出そうというのだ

歴史がたとえどうあろうと

俺達の現実にとって

俺達がこれから築いて行こうとしている

仕事のために

役になんか立ちそうもない

役に立つどころか、てめい等も御存知のない位

立派に反動を働こうなんて

おお、そんなぐちッぽい歴史の講義なんて持ち出しては貰うまえ

「おいらの組合には輝ける歴史があった

おいらの組合には伝統の力があった

おいらの組合にはそういう者がいなかった

おいらの組合は何ごとでも<ruby><rb>民主主義</rb><rt>デモクラシー</rt></ruby>だった」

ええ、何とでも抜かしてござれ！

半<ruby><rb>打</rb><rt>ダース</rt></ruby>、一<ruby><rb>打</rb><rt>ダース</rt></ruby>、落武者共のような愚痴を並べて

いくらしゃべろうと何になる

てめい等には、ほんにお睦ましい仲のいい、お談ぎの出来る組合なんて

そんなものは、いつのことだ。

俺達にそんなものは無用である

俺たちの組合はあくまでも

労働者同盟、同志のもの

労働者――被搾取者――被支配者

永き屈辱の歴史にゆがめられようとした

プロレタリアの血盟に

やがては来る（近づきつつある！）唯一の正当なる<span data-tei-rend="bouten ばつ傍点 right" style="text-emphasis-style: '×'; text-emphasis-position: over right">革命</span>の母体として

築かれ行く<ruby><rb>城砦</rb><rt>とりで</rt></ruby>である

しかも俺達の組合は

小さなてめい等<ruby><rb>集団</rb><rt>グループ</rt></ruby>の<ruby><rb>棲家</rb><rt>すみか</rt></ruby>じゃない

俺達の組合は鉄火の組織に鍛えられ

そして俺達の組合は<ruby><rb>鋼鉄</rb><rt>はがね</rt></ruby>の規律を重んずる

そして俺達の組合に怪しげな妥協は許されない

輝ける歴史（？）

そんなこともあったろうよ

俺達の歴史の頁は

大地にへたばらされて

水をぶっかけられ

鞭を加えられ

（それ位はまだ生やさしい！）

どんなことをされようとも

口は奴等に封じられた

ガリ版は奴等にふんだくられた

無言のままに

無言の顔と顔で非合法で

お互がはっきりと共同の仇敵を記憶の底に焼きつけ

必ず奮起を誓って来た

どの行もどの一字も

血みどろの惨苦に染め出され、出されつつある

俺達の歴史はそうした歴史だ！

許された特あつらえの窓口から

昔をなつかしく願望して

過去を偲び、現実を思う

そして現実からは遠く未来に飛躍する

その雰囲気こそ彼等の終生の歴史である

べらぼうめ！

何というだらしなさだ

何という不規律だ

百パーセントの・合法主義者の・<ruby><rb>現実主義者</rb><rt>レアリスト</rt></ruby>の

左翼社会民主主義者の

いくじない闘争方針は

俺達にとって俺達の重荷となり

遂には俺達正面の敵となる

俺達は青年

俺達は同志

俺達は赤旗を守る

俺達は生れ

俺達は育ち

俺達は鍛えられ

俺達は闘争する

俺達の得るものは

「未来であり全世界である！」

そうだ！

彼等には歴史の墓場が用意された！

一九三〇年九月六日国際共産青年デーの前夜