色彩なければ 我ら生はあらざらむ
春宵の薄暮
わが双眼の全き視神経は麻痺して
宇宙は皆灰一色となり
感ずべき何ものもなし
心ただ焦燥して
形なく踊れども
みたすべき何ものもなし
ああ春宵の薄暮
奪われし色彩のかえらじ
燃ゆるなき
古城址の焔と消えんのみ
しきさい
今野 大力
色彩なければ 我ら生はあらざらむ
春宵の薄暮
わが双眼の全き視神経は麻痺して
宇宙は皆灰一色となり
感ずべき何ものもなし
心ただ焦燥して
形なく踊れども
みたすべき何ものもなし
ああ春宵の薄暮
奪われし色彩のかえらじ
燃ゆるなき
古城址の焔と消えんのみ
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c今野 大力「色彩」(新字新仮名)、底本『今野大力作品集』新日本出版社、1995年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 055538_001471, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079