大いなる<ruby><rb>家鴨</rb><rt>あひる</rt></ruby>の姿に似たる

連絡船の三等船室にて　不愉快な動揺を感じ

軽い<ruby><rb>頭痛</rb><rt>とうつう</rt></ruby>に悩まされ

渡り行く島の奥地に痛み悩む母への哀切に泣きつつ

ひとりし寝転べば

出稼人夫等の行く先々の未だ見知らざる地への

憧れに満ちたる足に触れ

最初は驚き<ruby><rb>縮</rb><rt>すく</rt></ruby>んだ私ではあるが

夢を持たない旅人のあらぬことを

しみじみ我ながら感じては

貧しき出稼労働人の心に

もろくも兄弟達の涙を感じ

足を伸べ組み添え

瞳を交し　微笑さえ見せて

無言のままにも好意を寄せ

心からなる途上の友として

一夜を共に航海したのである