鋼の波に
アベラール沈み
鉛の艫に
エロイーズ浮む
骸炭は澪に乗り
直立する彼岸花を捧げて走り
『死』は半ば脣を開いて 水を恋ひ
また 燠を霊床とする
すべては 緑礬のみづ底に息をつく
象牙球の腹部の内側に
しょうか
富永 太郎
鋼の波に
アベラール沈み
鉛の艫に
エロイーズ浮む
骸炭は澪に乗り
直立する彼岸花を捧げて走り
『死』は半ば脣を開いて 水を恋ひ
また 燠を霊床とする
すべては 緑礬のみづ底に息をつく
象牙球の腹部の内側に
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c富永 太郎「頌歌」(新字旧仮名)、底本『富永太郎詩集』現代詩文庫、思潮社、1975年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 055474_000678, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079