ずぶぬれの機銃分隊であった ぼくの戦帽は小さすぎてすぐおちそうになった ぼくだけあごひもをしめておった きりりと勇ましいであろうと考えた いくつもいくつも膝まで水のある濠があった ぼくはそれが気に入って びちゃびちゃとびこんだ まわり路までしてとびこみにいった 泥水や雑草を手でかきむしった 内臓がとびちるほどの息づかいであった 白いりんどうの花が 狂気のようにゆれておった ぼくは草の上を氷河のように匍匐しておった 白いりんどうの花が 狂気のようにゆれておった 白いりんどうの花に顔を押しつけて 息をひそめて ぼくは 切に望郷しておった