君うつくしく幸ありと、 おもへば魂はくづるゝに、 なまじい罪は負ひつゝも、 君は死にきと眼を閉ぢて、 痩せたる胸を撫づるなり。 もとより心いつはらぬ ふたりが恋のくちつけは、 法の父上母うへの 御国にゆりぬ、君はいま むくろぞひとに委ねけめ。 されども君は人妻と、 整ひきよき妻がさね、 われ咽喉ぶえは裂きもすれ、 沸ぎる鉛は啣むとも、 えやは呼ぶべきわがつまと。