なが月下浣の日のゆふべ、
山下岩根垂る水の
玉のしづくに核ぐみて、
かつ熟みこぼし斎ひつゝ、
風に額づく茴香の
あゝ姉妹の二人もとよ。
化石もすらむ秋の木は
骨立ち強に呼吸つまり、
天つ御法のおん宣告に、
拗ねては、櫨も葉こそ縒れ、
孕婦ながら茴香は
優婆夷か、悩む色もなし
伴にはぐれし赤蟻の
飢ゑて足悩ゆむ湿り地に、
憐み顔のおとどひは
茎ルビの「くも」はママも軟らに額づきて、
手弱腕にそと乗せつ、
弘誓もさこそ、あゝ茴香。
ういきょう
末吉 安持
なが月下浣の日のゆふべ、
山下岩根垂る水の
玉のしづくに核ぐみて、
かつ熟みこぼし斎ひつゝ、
風に額づく茴香の
あゝ姉妹の二人もとよ。
化石もすらむ秋の木は
骨立ち強に呼吸つまり、
天つ御法のおん宣告に、
拗ねては、櫨も葉こそ縒れ、
孕婦ながら茴香は
優婆夷か、悩む色もなし
伴にはぐれし赤蟻の
飢ゑて足悩ゆむ湿り地に、
憐み顔のおとどひは
茎ルビの「くも」はママも軟らに額づきて、
手弱腕にそと乗せつ、
弘誓もさこそ、あゝ茴香。
記録は下にリンクした署名済みの TEI ファイルです。このページはそれを読むための一つの形です。読みが複数ある箇所は一つだけを本文に示し、もう一方は語の title に残しています。 / The record is the signed TEI file linked below. This page is one way of reading it. Where the text has more than one reading, the page shows one of them and keeps the other on the word itself, in its title text.
913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c末吉 安持「茴香」(新字旧仮名)、底本『沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ』国書刊行会、1991年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 054496_001607, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079