渡り鳥の様に旅をしてみたい時がある 雲の様に旅をしてみたい時がある 風のままに漂々と旅をした俳人芭蕉を憶ふ 病の床にあれば一人旅を欲する――   束縛された人生を思ふからである   葬り去られた夢を思ひ出すに耐へられないからである   そして吾今いたつきに泣く明日のない人間だからである―― 旅を想ふ渡り鳥を思ふ雲を芭蕉を……