高館に登りて見れば
小糠雨烟りて寒く
朽ちかけし家のほとりの
高き木に鳴く蝉かなし
苔かほる古き木に倚り
その昔の人をしのべど
木々に吹く風も寂しく
消えて行く思ひ儚し
遠山の淡くけむりて
北上は北の果より
その昔の夢を語らず
うね〱とうねりて流る
故郷を遠くはなれて
旅に見る夢跡かなし
生ひ繁る草木の緑
高館に吹く風寒し
たかだち
森川 義信
高館に登りて見れば
小糠雨烟りて寒く
朽ちかけし家のほとりの
高き木に鳴く蝉かなし
苔かほる古き木に倚り
その昔の人をしのべど
木々に吹く風も寂しく
消えて行く思ひ儚し
遠山の淡くけむりて
北上は北の果より
その昔の夢を語らず
うね〱とうねりて流る
故郷を遠くはなれて
旅に見る夢跡かなし
生ひ繁る草木の緑
高館に吹く風寒し
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c森川 義信「高館──―七月の旅の思ひ出―」(新字旧仮名)、底本『増補 森川義信詩集』国文社、1991年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 054395_001652, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079