枯れ葉は足につつかかり
街燈はぬれてまたたき
霧さへ降つてゐた おそい街の夜だつた
お前は人の歌をそつと歌ひ
お前は思い出したやうに歩いた
僕たちの街と本当に言へただらうか
美しい愛情の破片が
そこに花咲いてゐただらうか
あきらめたやうに枯れ葉をふみ
街燈の下を深海魚のやうに
なぜ歌つて歩かねばならなかつたのだらう
そんな僕たちの街ではなかつたか――
まち
森川 義信
枯れ葉は足につつかかり
街燈はぬれてまたたき
霧さへ降つてゐた おそい街の夜だつた
お前は人の歌をそつと歌ひ
お前は思い出したやうに歩いた
僕たちの街と本当に言へただらうか
美しい愛情の破片が
そこに花咲いてゐただらうか
あきらめたやうに枯れ葉をふみ
街燈の下を深海魚のやうに
なぜ歌つて歩かねばならなかつたのだらう
そんな僕たちの街ではなかつたか――
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c森川 義信「街──《或る友に》」(新字旧仮名)、底本『増補 森川義信詩集』国文社、1991年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 054387_001652, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079