枯れ葉は足につつかかり 街燈はぬれてまたたき 霧さへ降つてゐた おそい街の夜だつた お前は人の歌をそつと歌ひ お前は思い出したやうに歩いた 僕たちの街と本当に言へただらうか 美しい愛情の破片が そこに花咲いてゐただらうか あきらめたやうに枯れ葉をふみ 街燈の下を深海魚のやうに なぜ歌つて歩かねばならなかつたのだらう そんな僕たちの街ではなかつたか――