愁ひ来て丘にのぼりて
酸の香る蜜柑もぐなり
悲しみの青き蜜柑を
栗林こえて見ゆるは
背きにし君の町なるぞ
ゆふぐれに深く沈みて
掌にしみる青き蜜柑よ
そをかみて何を思はむ
昔の日は皆空しきに
ああされど君も寂しと
この丘の青き蜜柑の
その香りなぜか愛でたり
自らの影をふみつつ
ゆふぐれの丘を下りき
掌に悲し青き蜜柑よ
あおきみかん
森川 義信
愁ひ来て丘にのぼりて
酸の香る蜜柑もぐなり
悲しみの青き蜜柑を
栗林こえて見ゆるは
背きにし君の町なるぞ
ゆふぐれに深く沈みて
掌にしみる青き蜜柑よ
そをかみて何を思はむ
昔の日は皆空しきに
ああされど君も寂しと
この丘の青き蜜柑の
その香りなぜか愛でたり
自らの影をふみつつ
ゆふぐれの丘を下りき
掌に悲し青き蜜柑よ
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c森川 義信「青き蜜柑」(新字旧仮名)、底本『増補 森川義信詩集』国文社、1991年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 054376_001652, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079