芹をつむ芹の沼べり
今日もまためだかが浮いた
肩あげの肩が細いと
あの人はやさしく言つた
名も知らぬ小鳥が鳴いた
讃岐の山雲が通つた
あの人は麦笛ふいた
泪ぐみ昼月みて聴いた
肩あげの肩も抱かずに
あの人は黙つて去つた
芹かごの芹のかほりが
しんしんと胸に沈んだ
あの人
森川 義信
芹をつむ芹の沼べり
今日もまためだかが浮いた
肩あげの肩が細いと
あの人はやさしく言つた
名も知らぬ小鳥が鳴いた
讃岐の山雲が通つた
あの人は麦笛ふいた
泪ぐみ昼月みて聴いた
肩あげの肩も抱かずに
あの人は黙つて去つた
芹かごの芹のかほりが
しんしんと胸に沈んだ
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c森川 義信「あの人」(新字旧仮名)、底本『増補 森川義信詩集』国文社、1991年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 054375_001652, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079