Soranoha

ベートーヴェンの生涯

ベートーヴェンのしょうがい

片山 敏彦

○本訳書の原本は Romain Rolland: Vie de Beethoven (Librairie Hachette, Paris) の改訂版である。「ハイリゲンシュタットの遺書」と「手紙」と「思想断片」と「文献」とは、ロマン・ロランが選択し仏語訳して原本の中に収めてあるものの翻訳である。付録と文献・追加とだけは訳者が添加した。

○原書改訂版に増補されている原注のうち一カ所を(本書の第三十頁第四行以下二行)本文の中へ繰り入れたことをおことわりしておく。

○一般の原書に脚注となっている原注をひとまとめに集めたのは、一九二七年発行の限定版の原書の形にならった。その理由は、長文の注を本文の中に挿入すると本文のリズムが切断され過ぎることをおそれたためである。原注そのものが重要性をもっており、その後のロランのベートーヴェン研究の中で考証されたり展開されたりした問題がこれらの原注の中にいわば音楽の主題テーマのように散在している。

○原著者がドイツ文から仏訳して引用した文章は、原書のドイツ語訳の中に用いられているドイツ語原文を参酌した。

○付録中『ベートーヴェンへの感謝』は Romain Rolland: Actions de Grâces â Beethoven の訳であり、雑誌 La Revue musicale の「ベートーヴェン記念号」(一九二七年四月一日)に載ったものである。本書の本文とこの論文とのあいだには二十年以上の歳月が流れているが、よき参考となる論文であると信じてこの訳著の中に付加した。本書第百五十六頁にある楽譜は、原著者が同論文の余白にみずから書き添えて訳者におくられた筆跡に拠った。

○『手記』抄訳の原本は Ludwig van Beethoven, Berichte der Zeitgenossen, Briefe und persönliche Aufzeichnungen, gesammelt und erläutert von Albert Leitzmann (Insel-Verlag, Leipzig) に拠り、内容はロランのベートーヴェン研究全体に現われている志向において選ぶことを努めた。

○括弧〔 〕中、訳注とあるものは、理解に便なるを思って訳者が付加した部分である。それによって訳者は原書の生命を傷つける結果とならないことを念願すること切である。

訳者

底本 / Source edition

底本:「ベートーヴェンの生涯」岩波文庫、岩波書店
1938(昭和13)年11月15日第1刷発行
1965(昭和40)年4月16日第17刷改版発行
2010(平成22)年4月21日第77刷改版発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2011年12月1日作成
青空文庫作成ファイル:
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書誌 / Bibliography
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片山 敏彦「ベートーヴェンの生涯──01 凡例」(新字新仮名)、底本『ベートーヴェンの生涯』岩波文庫、岩波書店、1938年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 054373_001539, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079

引用のしかた / How to cite