ああ海から昇る太陽

太陽

今しののめの

藍と薔薇との混沌を

蹴破つて昇る太陽

かの紅の　かのまるく大きなる

かの重たげなるもの

虚空のうちを押渡る

かのまぶしきもの

かの團々たる

<ruby><rb>黄金光</rb><rt>わうごんくわう</rt></ruby>の<ruby><rb>聖母胎</rb><rt>せいぼたい</rt></ruby>

ああかの　今わが涙にまで

そのほのかなる暖かみもてもの言ひかくるもの

太陽

おお太陽

海から昇る太陽

われ永く

おん身の朝ごとにそこに在りて

かくまるく　大きく　赤く

われらが遊星の空高くはるばると

さし出で給ふを

不覺や

忘れてゐたりき

久しくも忘れてゐたりき

しかしてこの日

雲深き水平線を押昇る

何たる大いなる

何たる美しい太陽だらう

わがいとけなき

わがけがれなき日の

なほそこに今もあるかに

ああげにかくもまぶしく

海から昇る太陽

おお太陽

太陽