プチロフ工場の兄弟と 蹶起した罷工の勇壮を讃えよ。 伝統と鉄鎖を打ち摧き 狂気したツアーの暴逆の中に 反逆の矢を射たのは彼等だ。 巨大なる世界の基礎を置き 不滅なる労働の旗の下に殉死したのも彼等だ。 彼等は全世界の曙光で有り宇宙廓清の最初の猛火だ。 彼等ではないか銃火と剣に突き刺され乍ら防砦を築いたのは。 身を持って戦術を教えたのは。 彼等は最後の敗戦で有り全世界最初の勝利だ。 彼等が銃弾の前に斃れた時 宇宙空前の太陽は孕まれていたではないか。 十月の紫の日の勝鬨は敗惨の中に兆していたではないか。 (『文芸戦線』一九二九年十一月臨時増刊号に今村桓夫名で発表)