われら　血を越えてゆく

はらからが流したる

くろき血をぞ　越えて尚ゆく

おそろしき権力は

ゆくてをふさぎ

するどき刃は

たえず頭上にひらめけども

あらしの如く

泉のごとく

石をおしわけ　春　芽をふく草の

力に似て

彼岸を遠く

たのみ且つ信じ

ああ　われら血を越え

たゆまずゆく

はらからに続き　また

はらからを後に率いて――

（『種蒔く人』一九二一年十月号に発表）