廻せ！　廻せ！

廻したくば<ruby><rb>何程</rb><rt>いくら</rt></ruby>でも廻せ。

如何に汝が廻すとも

機械の前に我等立たずば、

一寸の布も編まれぬであろう。

一尺の糸も紡がれぬであろう。

糸の<ruby><rb>一管</rb><rt>ひとくだ</rt></ruby>さえ巻かれぬであろう。

我は労働者よ。

何も知らず。――只此事を外にしては、

されど

我が知れる此事はいとも貴し。

我は『力』なる労働者の一人なり。

げにこそ

労働者は力なり。

我等が皆目醒むる時

為さんとし成らざるなき強き力なり。

（『新社会』一九一六年七月号にＮ正吉名で発表　『どん底で歌う』を底本）