これが十二月の空であらうか。風は北極に流れて行つたらしい。
この空のあをさはどうだ。
みの虫みの虫。みの虫だと思つたのはアカシヤの實の莢であつた。
みの虫みの虫、風に吹かれてみのを着たまま飛んでつたとうたつた童謠詩人を思ひだす。
家の側の坂道を子供が三輪車を走らせてゐる。その妹が後から追かける。二人ともただもうわけのわからない感興の聲を青空に投げつけながら。
私は久しぶりに落ちついてゐる。
新宿へ出かけよう。そして「燕」の特別急行券を買つて來よう。
まどをひらく
桜間 中庸
これが十二月の空であらうか。風は北極に流れて行つたらしい。
この空のあをさはどうだ。
みの虫みの虫。みの虫だと思つたのはアカシヤの實の莢であつた。
みの虫みの虫、風に吹かれてみのを着たまま飛んでつたとうたつた童謠詩人を思ひだす。
家の側の坂道を子供が三輪車を走らせてゐる。その妹が後から追かける。二人ともただもうわけのわからない感興の聲を青空に投げつけながら。
私は久しぶりに落ちついてゐる。
新宿へ出かけよう。そして「燕」の特別急行券を買つて來よう。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c桜間 中庸「窓を開く」(旧字旧仮名)、底本『日光浴室 櫻間中庸遺稿集』ボン書店、1936年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 053996_001604, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079