どこからか捲き起された風 渦になり、平になり、縦になり 吹きまくってゆく、突風! 疾風! 屋根柾が矢のように走ってゆく 塗炭板がぐうおうと引ぺがされて 空をうなりながら飛んでゆく ぐう、おう、ひゅう ひゅう、おう、ぐう 物凄い力となって 粉々と雪を掻っ飛ばして 平原を十数丈の高さで ぐんぐんと押よせる風陣! 街の中も、原っぱも、村の街道も 猛火のような怒りと憎しみに燃え立って 前面に押し出し流されてゆく 引っぱたき、ぶちのめし 引ぱずし、ぶちこわし 組織されたものの持てる偉大な力の進軍! (『旭川新聞』一九二九年九月十七日号に今野紫藻名で発表 一九八五年四月新日本出版社刊『今野大力・今村恒夫詩集』改訂版を底本)