しだれ柳はおいぼれてゐて
井戸のそこには くつきりと
碧空のかけらが落ちてゐて 閏四月
おねえさま
ことしも 郭公が鳴いてゐますね
つつましいあなたは 答へないで
夕顔のやうにほほゑみながら
つるべをあふれる 碧空をくみあげる
つるべをあふれる 伝説をくみあげる
径は麦畑のなかを折れて 庭さきに
杏も咲いてゐる あれはぼくらの家
まどろみながら 牛が雲を反芻してゐる
ほら 水甕にも おねえさま
碧空があふれてゐる
ふるいどのあるふうけい
金 鍾漢
しだれ柳はおいぼれてゐて
井戸のそこには くつきりと
碧空のかけらが落ちてゐて 閏四月
おねえさま
ことしも 郭公が鳴いてゐますね
つつましいあなたは 答へないで
夕顔のやうにほほゑみながら
つるべをあふれる 碧空をくみあげる
つるべをあふれる 伝説をくみあげる
径は麦畑のなかを折れて 庭さきに
杏も咲いてゐる あれはぼくらの家
まどろみながら 牛が雲を反芻してゐる
ほら 水甕にも おねえさま
碧空があふれてゐる
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c金 鍾漢「古井戸のある風景」(新字旧仮名)、底本『〈外地〉の日本語文学選3 朝鮮』新宿書房、1996年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 053799_001602, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079