酒場にあつまる

――春のうた――

萩原朔太郎

酒をのんでゐるのはたのしいことだ、

すべての善良な心をもつひとびとのために、

酒場の卓はみがかれてゐる、

酒場の女たちの愛らしく見えることは、

どんなに君たちの心を正直にし、

君たちの良心をはつきりさせるか、

すでにさくらの咲くころとなり、

わがよき心の友等は、多く街頭の酒場にあつまる。