ああいかなればこそ、
きのふにかはるわが身の上とはなりもはてしぞ、
けふしもさくら芽をつのぐみ、
利根川のながれぼうぼうたれども、
あすは逢はれず、
あすのあすとてもいかであはれむ、
あなあはれむかしの春の、
みちゆきの夢もありやなし、
おとろへすぎし白雀の、
わがゆびさきにきてしみじみとついばむものを。
しゅんじつえいたんちょう
萩原 朔太郎
ああいかなればこそ、
きのふにかはるわが身の上とはなりもはてしぞ、
けふしもさくら芽をつのぐみ、
利根川のながれぼうぼうたれども、
あすは逢はれず、
あすのあすとてもいかであはれむ、
あなあはれむかしの春の、
みちゆきの夢もありやなし、
おとろへすぎし白雀の、
わがゆびさきにきてしみじみとついばむものを。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c萩原 朔太郎「春日詠嘆調」(旧字旧仮名)、底本『萩原朔太郎全集 第三卷』筑摩書房、1977年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 053637_000067, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079