こほれる利根のみなかみに、
ひねもす銀の針を垂れ、
しづかに水に針を垂れ、
さしぐみきたる冬を待つ。
ああ、その空さへもうすくもり、
かみつけの山に雪くれば、
魚らひそかに針をのみ、
ま芝は霜にいろづけど、
ひとり岸邊に針を垂れ、
來らむとする冬を待つ。
ふゆをまつひと
萩原 朔太郎
こほれる利根のみなかみに、
ひねもす銀の針を垂れ、
しづかに水に針を垂れ、
さしぐみきたる冬を待つ。
ああ、その空さへもうすくもり、
かみつけの山に雪くれば、
魚らひそかに針をのみ、
ま芝は霜にいろづけど、
ひとり岸邊に針を垂れ、
來らむとする冬を待つ。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c萩原 朔太郎「冬を待つひと」(旧字旧仮名)、底本『萩原朔太郎全集 第三卷』筑摩書房、1977年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 053621_000067, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079