手はえれき、
手はぷらちな、
手はらうまちずむのいたみ、
手は樹心に光り、
魚に光り、
墓石に光り、
手はあきらかに光る、
ゆくところ、
すでに肢體をはなれ、
炎炎灼熱し狂氣し、
指ひらき啓示さるるところの、
手は宙宇にありて光る、
光る金屬の我れの手くび、
するどく磨かれ、
われの瞳をめしひ、
われの肉をやぶり、
われの骨をきずつくにより、
恐るべし恐るべし、
手は白き疾患のらぢうむ、
ゆびいたみ烈しくなり、
われひそかに針をのむ。
みがかれたるきんぞくのて
萩原 朔太郎
手はえれき、
手はぷらちな、
手はらうまちずむのいたみ、
手は樹心に光り、
魚に光り、
墓石に光り、
手はあきらかに光る、
ゆくところ、
すでに肢體をはなれ、
炎炎灼熱し狂氣し、
指ひらき啓示さるるところの、
手は宙宇にありて光る、
光る金屬の我れの手くび、
するどく磨かれ、
われの瞳をめしひ、
われの肉をやぶり、
われの骨をきずつくにより、
恐るべし恐るべし、
手は白き疾患のらぢうむ、
ゆびいたみ烈しくなり、
われひそかに針をのむ。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c萩原 朔太郎「磨かれたる金属の手」(旧字旧仮名)、底本『萩原朔太郎全集 第三卷』筑摩書房、1977年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 053610_000067, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079