なたねなの花は川邊にさけど
遠望の雪
午後の日に消えやらず
寂しく麥の芽をふみて
高き煉瓦の下を行く
ひとり路上に坐りつつ
怒りに燃え
この故郷をのがれいでむと
土に小石を投げあつる
監獄署裏の林より
鶫ひねもす鳴き鳴けり
(滯郷哀語篇より)
そうしゅん
萩原 朔太郎
なたねなの花は川邊にさけど
遠望の雪
午後の日に消えやらず
寂しく麥の芽をふみて
高き煉瓦の下を行く
ひとり路上に坐りつつ
怒りに燃え
この故郷をのがれいでむと
土に小石を投げあつる
監獄署裏の林より
鶫ひねもす鳴き鳴けり
(滯郷哀語篇より)
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c萩原 朔太郎「早春」(旧字旧仮名)、底本『萩原朔太郎全集 第三卷』筑摩書房、1977年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 053578_000067, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079