雨の降る日

（兄のうたへる）

萩原朔太郎

雨の降る日の縁端に

わが弟はめんこ打つ

めんこの繪具うす青く

いつもにじめる指のさき

兄も哀しくなりにけり

雨の降る日のつれづれに

客間の隅でひそひそと

わが妹のひとり言

なにが悲しく羽根ぶとん

力いつぱい抱きしめる

兄も泣きたくなりにけり