赤城山の雪流れ出で
かなづる如くこの古き町に走り出づ
ひとびとはその四つ辻に集まり
哀しげに犬のつるむを眺め居たり
ひるさがり
床屋の庭に石竹の花咲きて
我はいつもの如く本町裏の河岸を行く
うなだれて歩むわが背後に
かすかなる市人のささやききこえ
人なき電車はがたこんと狹き街を走り行けり
我が故郷の前橋
ふるさと
萩原 朔太郎
赤城山の雪流れ出で
かなづる如くこの古き町に走り出づ
ひとびとはその四つ辻に集まり
哀しげに犬のつるむを眺め居たり
ひるさがり
床屋の庭に石竹の花咲きて
我はいつもの如く本町裏の河岸を行く
うなだれて歩むわが背後に
かすかなる市人のささやききこえ
人なき電車はがたこんと狹き街を走り行けり
我が故郷の前橋
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c萩原 朔太郎「ふるさと」(旧字旧仮名)、底本『萩原朔太郎全集 第三卷』筑摩書房、1977年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 053561_000067, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079