夕陽は青めりかの山裾に
ひろ野はくらめりま夏の雲に
かの町はるかの地平に消えて
おもかげほがらにわらひは遠し
ふたりぞたゞのみさちありなんと
おもへば世界はあまりに暗く
かのひとまことにさちありなんと
まさしくねがへばこころはあかし
いざ起てまことのをのこの恋に
もの云ひもの読み苹果を喰める
ひとびとまことのさちならざれば
まことのねがひは充ちしにあらぬ
夕陽は青みて木立はひかり
をちこちながるゝ草取うたや
いましものびたつ稲田の氈に
ひとびと汗してなほはたらけり
〔ゆうひはあおめりかのやますそに〕
宮沢 賢治
夕陽は青めりかの山裾に
ひろ野はくらめりま夏の雲に
かの町はるかの地平に消えて
おもかげほがらにわらひは遠し
ふたりぞたゞのみさちありなんと
おもへば世界はあまりに暗く
かのひとまことにさちありなんと
まさしくねがへばこころはあかし
いざ起てまことのをのこの恋に
もの云ひもの読み苹果を喰める
ひとびとまことのさちならざれば
まことのねがひは充ちしにあらぬ
夕陽は青みて木立はひかり
をちこちながるゝ草取うたや
いましものびたつ稲田の氈に
ひとびと汗してなほはたらけり
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c宮沢 賢治「〔夕陽は青めりかの山裾に〕」(新字旧仮名)、底本『新修宮沢賢治全集 第六巻』筑摩書房、1980年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 053442_000081, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079