ことことと行く汽車のはて
温石いしの萱山の
上にひとつの松ありて
あるいは雷にうたれしや
三角標にまがへりと
大上段に真鍮の
棒をかざしてさまよへり
ごみのごとくにあきつとぶ
高圧線のま下にて
秋をさびしき白服の
酒くせあしき土木技手
いましも汽車を避け了へて
こなたへ来るといまははた
急ぎガラスを入りにけり
えきちょう
宮沢 賢治
ことことと行く汽車のはて
温石いしの萱山の
上にひとつの松ありて
あるいは雷にうたれしや
三角標にまがへりと
大上段に真鍮の
棒をかざしてさまよへり
ごみのごとくにあきつとぶ
高圧線のま下にて
秋をさびしき白服の
酒くせあしき土木技手
いましも汽車を避け了へて
こなたへ来るといまははた
急ぎガラスを入りにけり
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c宮沢 賢治「駅長」(新字旧仮名)、底本『新修宮沢賢治全集 第六巻』筑摩書房、1980年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 053417_000081, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079