陽の光りが、庭先の鉢のところまでとゞくようになりました。なみ〱といれた水の面へ、かあいらしい金めだかが、四つ頭をならべて、せわしそうに鰭をうごかしながら、光りを吸おうとしています。もっと大きいのも沢山いたが、冬を越す間にこれだけとなりました。
いま、芽ぐんでいる睡蓮が、やがて鉢いっぱいに葉をのばして、黄色な花を咲くころ、その間を泳ぎまわり、卵をつけることだろうと思うと、何となく、この色の鮮かなめだかの将来を、輝やかしく思うのでした。
きんめだか
小川 未明
陽の光りが、庭先の鉢のところまでとゞくようになりました。なみ〱といれた水の面へ、かあいらしい金めだかが、四つ頭をならべて、せわしそうに鰭をうごかしながら、光りを吸おうとしています。もっと大きいのも沢山いたが、冬を越す間にこれだけとなりました。
いま、芽ぐんでいる睡蓮が、やがて鉢いっぱいに葉をのばして、黄色な花を咲くころ、その間を泳ぎまわり、卵をつけることだろうと思うと、何となく、この色の鮮かなめだかの将来を、輝やかしく思うのでした。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c小川 未明「金めだか」(新字新仮名)、底本『芸術は生動す』国文社、1982年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 051798_001475, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079