花によう似た姿をば、
なんの花かと問われると
すぐには返答に困るけど。
ただ微笑みてものいわず、
うす青白き夢の世に、
いまは幻と浮かぶかな。
花にいろいろあるけれど、
燃える紅い花でない。
冷たい白い花でない。
夏はまだ浅く、色淡く、
紫陽花の咲くころに、
私は姉さん思い出す。
わたしはねえさんおもいだす
小川 未明
花によう似た姿をば、
なんの花かと問われると
すぐには返答に困るけど。
ただ微笑みてものいわず、
うす青白き夢の世に、
いまは幻と浮かぶかな。
花にいろいろあるけれど、
燃える紅い花でない。
冷たい白い花でない。
夏はまだ浅く、色淡く、
紫陽花の咲くころに、
私は姉さん思い出す。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c小川 未明「私は姉さん思い出す」(新字新仮名)、底本『定本小川未明童話全集 3』講談社、1977年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 051120_001475, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079