「お母さん海が見えた!
あれあれかもめが飛んでいるよ。
あれあれあんなに遠く帆掛船が
見えるよ。
お母さんお母さん海が見えたよ!」と
子供がいった。
「沖の白帆が白いか、飛んでいるかもめが白いか、わたしの姿が白いか。」と
波がいった。
「さあ、車夫さん、かまわんで引いてください。」と
母がいった。
おかあさん
小川 未明
「お母さん海が見えた!
あれあれかもめが飛んでいるよ。
あれあれあんなに遠く帆掛船が
見えるよ。
お母さんお母さん海が見えたよ!」と
子供がいった。
「沖の白帆が白いか、飛んでいるかもめが白いか、わたしの姿が白いか。」と
波がいった。
「さあ、車夫さん、かまわんで引いてください。」と
母がいった。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c小川 未明「お母さん」(新字新仮名)、底本『定本小川未明童話全集 3』講談社、1977年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 051114_001475, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079