惣太物をはじめとして甲賀氏は近来の作にユーモアを織り込もうとし<ruby><rb>然</rb><rt>そ</rt></ruby>うして織り込んで居りますが、私見を<ruby><rb>以</rb><rt>もっ</rt></ruby>てすればこのユーモアまだまだ洗練されて居りません。甲賀氏従来の特色は非常に複雑な筋を立て<ruby><rb>夫</rb><rt>そ</rt></ruby>れを明快に率直に解剖するにあったようですが、その明快と率直とが洗練されていないユーモアのため濁されて居るように思われます。でユーモアをもっと洗練して貰うか<ruby><rb>乃至</rb><rt>ないし</rt></ruby>は一時引っ込ませて貰い<ruby><rb>度</rb><rt>た</rt></ruby>いのが私の希望であります。<ruby><rb>切角</rb><rt>せっかく</rt></ruby>の甲賀氏の作がその洗練されていないユーモアのために安手に感じられるということは如何にも残念です。<ruby><rb>敢</rb><rt>あえ</rt></ruby>て苦言を呈します。