冬になると蛇も蛙も何もたべなくなって土の中へもぐってしまいます。
秋の末になって一匹の蛇が蛙に近づいて、
「どうだい。今までは敵同士だったが、もう君をたべなくてもいいから仲直りをして一緒の穴へ入ろうじゃないか」
と言いますと、蛙は眼をパチクリさして頭をふりました。
「嫌なこった。そんなことを言って来年の春あたたかくなったら一番に私をたべる積りだろう。私と仲よくしたいならふだんから私たちをたべないようにするがいい」
へびとかえる
夢野 久作、土原 耕作
冬になると蛇も蛙も何もたべなくなって土の中へもぐってしまいます。
秋の末になって一匹の蛇が蛙に近づいて、
「どうだい。今までは敵同士だったが、もう君をたべなくてもいいから仲直りをして一緒の穴へ入ろうじゃないか」
と言いますと、蛙は眼をパチクリさして頭をふりました。
「嫌なこった。そんなことを言って来年の春あたたかくなったら一番に私をたべる積りだろう。私と仲よくしたいならふだんから私たちをたべないようにするがいい」
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c夢野 久作、土原 耕作「蛇と蛙」(新字新仮名)、底本『夢野久作全集7』三一書房、1971年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 046732_000096, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079